（あーもう！　”神話について知りたくなりました”なんて言わなきゃ
よかったなぁ）


わたしは自分の発言に対して　激しく後悔していた。
あのときまでは。





　　　図書室で・・・・・・





先日　氷室先生の課外授業でプラネタリウムに行ったときのことだ。
プログラム終了後　先生が


　「星座の話が中心になった。諸君はどう思ったか。・・・では。」


って質問をぶつけてくるから　わたしは反射的にこう答えていた。


　「神話について知りたくなりました」


そしたら先生ってば　涼しい顔してこう言ったのだった。


　「それも結構。知識とはそうして広がってゆく。研究してみなさい。
　　そしてその研究結果をレポートにまとめて提出しなさい。」

　「えぇっ！？」

　「”えぇ”ではない。期限は・・・　そうだな１週間だ。わかったな？」


先生の眼鏡の下の瞳がするどく光った気がして。


　「はい・・・・・・　わかりました。」


絶対氷室先生には逆らえない・・・。そう思った。

そしてわたしは今　そのレポートを作成するための資料を借りるため
学園の図書室に来たというわけだ。

しっかし　氷室先生も担当教科は数学なくせに　どうしてこうも
他の教科にまで手を出すかなぁ・・・
そんなことを考えながら　資料になりそうな本を探す。


　「この辺かな・・・・・・　あ、あった　ギリシア神話。」


お目当ての本を見つけたまではよかったけど・・・・・・
その資料は本棚の一番上の段にあった。
よりによって・・・一番上なんて　届くかなぁ。

こんなとき　自分の身長の低さを感じる。
踏み台を持ってくればいいのだろうけど　めんどくさいしなぁ。
そう思いながら背伸びをしてその本を取ろうとしたら


　「これか？」


ふいに背後から声をかけられ　手が伸びてきた。
その声に振り向くと・・・・・・


　「・・・・・・っ！　氷室先生！？」


そこには何故か氷室先生が立っていた。

なんで先生がこんなところに居るのー？

図書館は閉館間際なので　人もまばらで。
更にここのコーナーは奥まったところにあったので
回りには人が誰もいなかった。
・・・・・・はずなのに。
気配がしなかったよ　全然。

それでもって結構　至近距離に立っていたりするし。
先生　背　高い・・・・・・
わたしは顔が赤くなるのを感じていた。


　「フム・・・・・・ギリシア神話か・・・・・・。」


先生はそんなわたしの様子に気づかないようで　あの高さにあった
本をいともたやすく取ってわたしに手渡してくれた。


　「あ・・・・・・ありがとうございます。」

　「課外授業のレポートか・・・・・・。」

　「あ・・・・・・　はい　そうです・・・・・・。」

　「大変結構・・・・・・　さぞかし充実したレポートが提出される
　　ことだろう。私も楽しみにしている。」


先生はそう言いながら　私の頭をポンっとたたいて去っていった。
私はそんな先生の後ろ姿を呆然と見送っていた。

というか　私はしばらくその場から動くことが出来なかった。


　「楽しみにしている」


そう言った時の　先生の表情が・・・　瞳が・・・
とても優しかったことがすごく印象的で。

（先生ってこんな優しい顔するんだ・・・）

そう考えると　胸がどきどきして。

それと先生にポンとたたかれた頭が熱く感じて。
私はしばらくその場から動くことが出来なかったんだ。

（と・・・取りあえず　レポート作成がんばろう。）

そう思い直して　図書室を後にするまで・・・・・・
どのくらいかかったかなんて　覚えていない。



そして　わたしが先生のことを好きなんだと自覚するまでには
あともう少し時間がかかるのだった・・・



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すみません　また駄文です。

主人公がまだ先生を好きになる前・・・・・・
つぅか好きになる「きっかけ」を書きたかったんです。
（実はイメージイラストがあったり・・・現在準備中^^;）
補習イベントまだ見ていないんで　捏造しちゃいました。

ホントにズキューンと恋に落ちるのは　やはし「ピアノ」イベント
でしょう！　ということで。

でもダメダメですね。精進します。南無〜。

しかし　せんせぇは何故あのとき図書室に居たんでしょうね？
実は主人公よりせんせぇの方が先に意識していたのかも？


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