はじめての約束　　　＋主人公Side＋


せんせぇから告白を受けて　１週間が過ぎた。
わたしは卒業式が終わって　４月に大学が始まるまで約１ヶ月の間
春休みだけれど　せんせぇは毎日学校がある。
学期末ということで　毎日いろいろと遅くまで大変みたい。

（今頃せんせぇは　なにをしているんだろう？）
わたしはひとつ　大きなため息をついた。


『・・・・・・せんせぇに会いたいなぁ・・・・・・』


思わず独り言。


『・・・・・・学校あった時の方がよかったな・・・・・・』


卒業前は学校にさえ行けば　せんせぇの顔が見られたのに。

声だけでも聞きたい。せんせぇに電話かけちゃおうかな？
でも　忙しい時に迷惑かけちゃいけない・・・。
何より　せんせぇは無駄なことを嫌う。
「声が聞きたい」だけで電話なんかしたら　きっと呆れられて
しまう・・・。

このままずっと　放っておかれたら　わたし　どうしよう？
卒業式の日に告白されたのが　なんだか嘘のようで・・・
あれは夢だったんじゃないかって思えてきてしまった。


「ダメダメ！　どんどん悪い方向に考えちゃう！！」


家の中にじっとしていると　どんどん考えが暗くなっていって
しまいそうだったので　わたしは気晴らしに出かけることに決めた。

（ショッピングモールにでもウィンドーショッピングにでも行こうかな）
そんなことを考えながら支度をして　いざ出かけようと携帯を充電器
から外そうとした　丁度そのとき・・・携帯が鳴った。

（この着メロは・・・　せんせぇ？）
わたしは携帯を床に落としそうになりながら　あわてて通話ボタンを
押した。


「・・・もしもし？」

「・・・・・・コホン。氷室だ。」

「せんせぇ・・・・・・」


わたしが今一番聞きたかった男性の声だった。
せんせぇが携帯にかけてくるのは　これが初めてじゃないけれど
それでもすごく胸がドキドキしていた。


「。・・・・・・元気か？」

「げっ　元気です。やだなぁせんせぇ　この間会ったばかりじゃ
ないですか。」


やだ　わたしってば　何言ってるんだろ？
こんなこと言いたいんじゃないのに。素直になれない自分がいる。


「大変結構。ところで・・・
　次週日曜だが　予定は空いているか？」

「・・・は　はいっ！　空いてますっ！」

「・・・・・・ドライブをしようと思う。」


わたしが一番待ち望んでいた言葉。
わたしはそれに「はい」って返事をすればいい。なのに・・・


「それって・・・・・・社会見学ってことですか？」


わーん　わたしのバカバカ！　何てこと言うの〜！
でも　この誘い方って　なんか在学中と変わらないじゃない？
なんて　頭の中でぐるぐる考えていたら・・・


「・・・・・・コホン。デートだ。」


すごく小さな声で　それも早口で　せんせぇは答えてくれた。

せんせぇ　きっと今照れてるだろうな。
そういうわたしも顔が赤くなっているのが分かる。

（でも　すごく嬉しい！　正真正銘デートに誘ってくれたんだ！）

照れ隠しをするように　わたしは言った。


「もしかして　せんせぇ　照れてます？」

「・・・・・・そんなことはどうでもよろしい。
　当日は自宅まで迎えに行く。支度をして待機していなさい。」


・・・・・・もう　いつものせんせぇの口調に戻ってる。
でも　ま　いいか。


「わかりました！　せんせぇ　ありがとうございます。
　私　日曜日楽しみに待ってます！！」

「・・・・・・礼には及ばない。。私も楽しみにしている。
　・・・・・・それでは。」


そういって電話は切れた。
ほんの少しの間だったけれど　電話がかかってくる前のわたしと
かかってきた後のわたしの表情は　全然違っているのが自分でも
よくわかる。

（デートの約束しちゃった！）

わたしは足取り軽く部屋を出た。
街に出よう−−−−−
たった今約束した日曜日に着ていく　新しい服を買いに。





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初小説がこれかい（汗）　それに誰か題名考えて〜（爆）

いつもは「社会見学だ」って言い張るせんせぇに「デートだ」と
言わせたいがために考えたんですけど・・・
明らかに修行が足りませんね。ごめんなさい。

携帯を充電器から外そうとした　丁度そのときに携帯が鳴って
携帯を落としそうになったのは実話です（苦笑）
あれって心臓によくないよ〜。
結構びっくりしたんだけど・・・　それって私だけかも？

ところで　これ「主人公Side」となってます。
ということは　あります「氷室Side」が。
近日公開。乞うご期待？


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